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セアカゴケグモ
セアカゴケグモ(Latrodectus hasseltii)は、ヒメグモ科に分類される有毒の小型のクモの一種。和名は、「背中の赤いゴケグモ」の意味。
本来日本国内には生息していなかったが、1995年に大阪府で発見されて以降、その他いくつかの地域でも見つかった外来種である。
体長はメスが1cm前後、丸くつやつやした黒い体で、胸腹部の背面にはひし形が2つ縦に並んだような赤い模様、腹面には砂時計状の赤い模様があるので見間違えることは少ないだろう。
この赤斑の形は雌雄で多少違いがあり、時に地色の黒も淡いものもある。オスは3~5mm程度とメスよりずっと小型で体も細く、褐色がかった地色に淡色の目立たない斑紋を持つ。
しかし幼体のうちは雌雄とも淡褐色の地に不明瞭な縞模様をもつのみで、成体のような雌雄の違い(性的二型)は見られない。同様に危険なハイイロゴケグモも福岡市などでは確認されている。
なお日本で5月頃から庭や家壁などに見られるようになる真っ赤なタカラダニ類は、一見微小なクモにも見えるため、時に本種の子供ではないかと勘違いされることもあるが、 前述のとおりセアカゴケグモの幼体は淡褐色で全く異なり、真っ赤なタカラダニ類は人体に無害な生き物である。
※2014年9月25日追記;東京都福祉保健局は、東京都三鷹市で毒性の強いセアカゴケグモが確認されたと発表した。

生息地と生態
主に西日本で生息の報告が多く、福岡市などでは現在、発生状況のマップなどもホームページ上で公開している。 ⇒ 福岡市ホームページ
症状
毒は獲物を咬んだときに獲物の体に注入されるもので、神経毒の「α-ラトロトキシン」である。この毒を有するのはメスのみで、オスは人体に影響する毒を持たない。
オーストラリアでは死亡例があるが、日本では報告されていない。 オーストラリアでは古くから代表的な毒グモとして知られており抗血清も存在する。
日本でもセアカゴケグモの発生した地域の医療機関で抗血清を準備しているところもある。 メスに咬まれた部位は、激しい痛みを感じる。その後、咬まれた場所が腫れ、全身症状(痛み、発汗、発熱など)が現れる。
手当てが遅れると毒素の効果により皮膚が腐っていくことがあるため、咬まれたら、医療機関での早急な診察が必要である。